高回転トリックに有利なセッティング! ビンディングのスタンス幅・アングルは?【アングル編】

高回転トリックに有利なセッティング! ビンディングのスタンス幅・アングルは?【アングル編】




 

ヤマゴリです!

ボードに行ってきましたー!
今シーズン2回目でしたが、少しずつが感覚を取り戻しつつある感じがします。
まだ安定しませんが720回すこともできたのでシーズン序盤としてはいい感じではないでしょうか!
キッカーはポコジャンサイズの物しかなかったので何とも言えませんが、アイテムに侵入する感覚も思い出しつつあります。
充実した1日でしたね!
今年あと何回行けるか分かりませんが、残り少ない2019年を楽しみつくしたいと思います!

今日は前回に引き続き、ビンディングのセッティングについて紹介します。

 

 

グラトリをやるにあたって非常に大切なのがアングルの角度・スタンス幅の設定です。
足元のセッティングぐが違うだけで乗り心地は大きく変化し、同時にトリックにおける有利・不利も変わってきます。
折角なら自分のイメージするトリックに有利なセッティングで臨みたいですよね!
今日はグラトリに有利なセッティング、中でも『高回転トリック』に焦点を合わせたセッティングについて紹介します。

二回目の今回は『アングル』についてです!

 




 

高回転トリックに必要な要素

 

出典:yonex.co.jp

 

前回のおさらいとなりますが、高回転トリックに必要な要素は以下の3つです。

 

① 反発力

② 回転力

③ 安定性

 

【反発力】
高回転トリックでは空中での1つの動作が1つのトリックとしてカウントされます。
当たり前ですが、空中での滞在時間が長くなればその分トリックに使える時間が増えます。
大きな反発で滞空時間を延ばすことは、回転数を増やすことに影響する大切な要素です。

 

【回転力】
文字通り、高回転トリックは空中での回転数を求めるトリックなので、回転力は直接影響する要素です。
大きな回転力を生み出すことが出来れば、それだけで難易度の高いトリックとして成立します。
先に紹介した高い反発と回転力が組み合わされることで 720(空中で2回転) などといった高難度のトリックが可能となるのです。

 

【安定性】
大きな反発・回転力を生み出すためには通常大きな力が必要となります。
一つ一つの動作に力が加わることで、どうしても安定性は失われてしまいます。
折角高回転を実現しても着地でバランスを崩して転倒してしまってはメイクとはなりません。
トリックを着地まで持っていく安定性が高回転トリックでは求められます。

 

 

このように、高回転トリックでは3つの要素を軸に空中での回転数を伸ばす必要があります。
ギアでも少ない力で大きな反発を生み出すものや、安定感を求めた形状・サイズのものなど、トリックに合わせた選択は重要になりますが、ここでは足元(ビンディング幅・角度)のセッティングについて紹介していきます。

 

 

アングルについて


ビンディングは付属しているディスクプレートと呼ばれる板によって角度を決めた上で板と固定されています。
アングルとは左右のビンディングの傾き(開き)の角度を指します。
この角度を調整することで滑り心地は大きく変化します。

 

【グラトリ向けのアングルとは?】

通常グラトリ向けのアングルは ダックスタンス と呼ばれる形が良いとされています。
ダックスタンスとは、左右のビンディングの角度が同じに設定されている形です。

 

 

例えば画像の様な形がダックスタンスとなります。
前足が+15とするのであれば、後ろ足は-15となります。
丁度アヒルのように同じ角度で左右に足が開くことからこのように呼ばれています。

ダックスタンスの一番のメリットは、スイッチでの滑走においてもメインスタンスと同様の滑りが可能な点にあります。
つまり、ダックスタンスであればスイッチでも同様にトリックが繰り出せるということです。

じゃあグラトリはダックスタンスに決まりでいいのではないか?
と思うかもしれません。
確かに理屈はそうなのですが、これは相当に難易度の高いことなのです。

 

それぞれライダーにはメインとなるスタンス(滑走方向)があります。
レギュラーであれば左足が前。
グーフィーであれば右足が前です。
もちろん両方滑れるというライダーも多いと思いますが、左右どちらも50%ずつというライダーは相当少ないはずです。
どうしてもメインとなるスタンスの方が占める割合が多くなります。

その場合、グラトリを繰り出す際にも得意となるのは基本的に メインスタンス となるはずです。
であれば、グラトリ向け、特に高回転トリックのアングルは必ずしもダックスタンスとなるとは限りません。

 

 

【高回転向けのアングル】

高回転に必要な3つの要素は 反発力・回転力・安定性 です。
これらの要素を最大限引き出すためには、アングルもただグラトリ向けのダックスタンスというだけでは物足りません。
特に今回は高回転を追求するセッティングです。
必然的にメインとなるスタンスで行うことが想定されます。

3つの要素を活かすためにはアングルをどのように変化させるのが良いのでしょうか?

 

 

【回転力を生み出すアングル】

高回転と言えばノーリースピンが代表的なトリックと言えるでしょう。
ノーリー720はグラトリをメインとするライダーとしては一度はメイクしたい技の一つです。

ノーリースピンの場合、雪面をノーズで踏み込むことで回転を生み出します。
エッジングによってブレーキを掛けることでスピードを回転力に変換しているのです。

 

分かりやすいトリックとして 引っ掛けノーリー というトリックがあります。
急激なエッジングによって大きな回転力を生み出すトリックです。
(実際720回そうと思うと引っ掛けノーリーでは厳しい場合があるのですが、分かりやすいためこちらで説明させて頂きます。)

引っ掛けノーリーは名前の通り雪面にエッジ面を引っ掛けるようにして行うノーリーです。
急激なエッジングを行うためにはクイックに板を動かして踏み込むことが必要です。

 

このエッジングを行うために重要なのがノーズ側のアングルです。
雪面に対して板を横にしなければエッジを掛けることはできない為、必然的に板を横にするために踏み込む動作が発生します。
この時、アングルが閉じていては急激なエッジングは難しくなっていします。

クイックなエッジングを行うためには、ノーズ側のアングルを少し開き気味に設定することが必要となります。
具体的には +12°~ +15° の角度をおすすめします。

 

 

【反発力・安定性を生み出すアングル】

引っ掛けノーリーでは720回すことは難しいと説明しましたが、それは引っ掛けノーリーでは高回転に必要な 高さ を出すことが難しい為です。
引っ掛けノーリーは急激なエッジングで大きな回転力を生み出すことはできますが、回転力に依存したスピンとなってしまうため、高さが出ずに720回しきる前に着地してしまうのです。
また、回転力を残したままの着地は安定性に欠け、メイク率の低下につながってしまいます。

しっかりとメイクまで持っていくためには、反発を活かした高さを求める必要があります。

 

高さを出すために必要なのが 板への踏み込み です。
しっかりと体重を乗せて踏み込むことで板をたわませ、その反発を利用して高さを出します。

 

踏み込みの際に体重を乗せるには 母指球(親指の付け根のやや下)を使うことが重要です。
母指球は最も体重を下方に掛けることのできる部分で、母指球を使うことで大きく板をたわませることが出来ます。

ノーリーの際、しっかりと体重を板に乗せるためには、踏み込みの際に雪面を押している部分(ノーズ左側~中心にかけての面)と母指球が平行にあることが大切です。
よく見る光景ですが、ノーリーで体が後ろに残ってそのまま前方に仰向けに飛んでいくライダーがいます。
あれは、ビンデング(母指球の位置)に対して踏み切りのポイントが前方にズレているために、体が置いて行かれることで板がすっぽ抜けているのです。

ああならないためにも、しっかりと踏み込み板と接地面を近づける必要があります。
そこで重要なのが 広めのアングル です。

 

アングルを広めに設定することで、リリースの際の板の角度と母指球を平行に合わせることが出来ます。
一番力が伝わる角度でのリリースは大きな反発を生み出し、高さのあるノーリーを可能にします。
こちらも具体的には +12°~ +15° を目安に、板のサイズによっては +18° くらいまでに設定するのがおすすめです。

 

しっかりと踏み込みができれば高さが出せるだけではなく、空中での 安定性 も同時に向上します。
これらは回転力に依存したノーリーから高回転ノーリーに移行するために必要な要素です。

 

 

【テール側のアングルの考え方】

高回転にはノーズ側の広めのアングルが大切だということは説明しました。
では、テール側のアングルはどうなのでしょうか。

テール側のアングルは、回転時に体を回転方向に巻き込むために、テール側に対して 少し閉じ気味 に設定します。
回転時は目線と体を先に送る 巻き込み の動作が重要となります。
外に大きく開いたアングルでは体も開いてしまい、回転力を殺してしまいます。

回転方向にしっかりと体全体を巻き込む為にもテール側のアングルは閉じ気味に設定します。
具体的には -3°~ -9° 程がおすすめです。
人によっては がやり易いという人もいますが、あまり極端だとやり難さを感じてしまう場合がほとんどなので、まずは -3°~ -9° で調整してみましょう。

 

 

まとめ

 

高回転トリックで一番大切なことは しっかりと板を踏み込む 動作です。
もちろん回転力を活かすことも大切なので、ある程度のスピードあるアプローチとクイックなエッジングという【スピードを回転力に変換する動作】も重要ですが、やはり一番は高さを出す踏み込みの動作です。

 

これらをしっかりと行うためにはノーズ側のアングルを少し開き気味にします。
具体的には +12°~ +15° を目安に設定しましょう。

逆にテール側のアングルは回転動作中に体を進行方向へ巻き込めるようにするため、閉じ気味にすることが重要です。
具体的には -3°~ -9° を目安に設定しましょう。

 

とは言っても自分では決められない! という人は、まずは +15°-9° でやってみてください。
少し開き気味の設定になりますが、安定感がありグラトリ設定の中ではメイク率が向上する仕様です。

ちなみに左右のアングルを開くことで 踏み切りの安定性が向上 し、閉じることで 空中姿勢が安定 します。

 

まずは +15°-9° で始めてみて、少しづつ調整していくのが良いでしょう。
もちろんライダーによって体格や感覚の違いがあるので、最良の角度はこの範囲で留まるものではありません。

大切なのは 様々な角度を試し、感じて、最良の角度を見つけることです。

 

 

 

今回は高回転に有利なセッティング【アングル編】を紹介しました。
前記事の【スタンス幅編】と合わせて参考にしてみてください!

 

 

高回転トリックに有利なセッティング! ビンディングのスタンス・アングルは?【スタンス幅 編】

 

 




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